鍼灸の授業記録~20191109~
【生理学】
・前回までの復習
筋収縮の過程でのミオシン頭部の運動
筋弛緩の過程でのCa2+の筋小胞体への回収
ミオシン頭部とアクチンとの結合の分離
今日の内容
↓↓↓
・筋のエネルギー供給の仕組み
(1)ローマン反応
ADPがクレアチンリン酸からリン酸を受け取ってATPに再生される この反応ではO2を必要としない
クレアチンリン酸→ATPと同じく高エネルギーリン酸結合を持った化合物で、ATPとの間に次のような平衡が成り立つ
(2)解糖
筋線維内に貯蔵されているグリコーゲンな血液から取り込まれたグルコースがピルビン酸に分解される過程でATPが補給される この反応はO2を必要とせず、O2供給が不十分な場合や短時間(40~50秒程度)の瞬発運動の際の主なエネルギー供給を行う。(無酸素運動)
(3)クエン酸回路と電子伝達系
O2が十分に供給されると解糖で生じたピルビン酸はクエン酸回路に入り、最終的にH2OとCo2に分解される この過程を経ると1モルのグルコースから38モルという大量のATPが補給される。 長時間の持久性運動では、この系よりエネルギー供給がされる(有酸素運動)
*ATPが不足すると筋肉は硬直する 死後、ATPが産生されないために筋肉は硬直するが、さらに時間が経つとアクチンやミオシンが壊されて、筋肉は融解して軟らかくなる。
*白筋がどんどんエネルギーを使い、乳酸を発生させてしまうので、ミトコンドリアが多くある場所(心臓、肝臓、腎臓)まで乳酸を運び、分解してもらう。
ヒラメ筋など下肢の筋肉は赤筋が多い傾向にあるため、ミトコンドリアも多くある。
・筋の熱産生
筋肉は体温を維持するために産熱する装置としてとても優秀。(運動時、全産熱量の約90%が骨格筋)
筋が収縮してから弛緩するまでの間に発生する熱を初期熱。
弛緩した後に発生する熱を回復熱という。
*初期熱≒回復熱
〜心筋と平滑筋〜
この表めっちゃ大事 穴埋めではなく理解して説明できるように!
・心筋の特徴
骨格筋と同様に多数の筋線維からできているが、心筋の各筋線維は隣接する細胞とギャップ結合によって電気的に連絡しており、多数の心筋線維は同時に興奮してあたかも1個の筋線維のように働く。(機能的合胞体)
*機能的合胞体・・・実際には合胞体ではないが、機能として合胞体のような働きをするもの
・平滑筋の特徴
細胞内に筋フィラメントが不規則に配列しており、横紋構造は見られない。 平滑筋細胞は、ゆっくり、かつ持続的な収縮をする。骨格筋のような急速な収縮はできない。
胃腸管、膀胱、尿管、子宮など、平滑筋ではところどころで他の細胞の膜とギャップ結合によって電気的に繋がっており合胞体として機能する。
*骨格筋は強縮しかしない
*心筋は単収縮のみ(強縮したら死んでしまう)
*平滑筋はほとんどが強縮
筋肉終わり!
第13章【感覚】
〜感覚の分類と一般的性質〜
・感覚とその分類
体性感覚(皮膚、深部)、内臓感覚、特殊感覚(味、聴、嗅、平衡、視)などの種類がある。
*血管が例外
※深部感覚へ直接の刺激は難しいが、皮膚感覚から入っても体性内臓反射などを用いることでアプローチできる。
・感覚の一般的性質
大前提として、全て共通なのが"活動電位"
活動電位自体は全て同じだが、それぞれ感覚の受容器によって感じ方が異なる
(1)適刺激
それぞれの受容器が適当な刺激を持っているため、そこに最適な刺激が来れば適刺激という。
たとえば、光は視覚の適刺激であり、音は聴覚の適刺激である。
次週この続きから
*神経、運動、感覚の3つを動物性生理学という。
※鍼治療というのは、感覚器に対する刺激がメインとなるため最も重要な章になる。集中!
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