鍼灸の授業記録~20191111~
【西洋医学的診察法】
〜不明熱〜
定義
(過去の)
・経過中、38.3度以上を数回
・3週間を超える発熱の継続
・3週間の入院検索にも関わらず診断に至らない
※3週間以上の発熱は悪性腫瘍の可能性が高い
不明熱の悪性腫瘍
・ホジキン病
・白血病
etc…
非感染症炎症
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・反応性関節炎
・シェーグレン症候群
etc…
その他
・薬剤性(利尿剤、抗不整脈薬、サルファ剤…)
・深部静脈血栓症・肺塞栓
・亜急性壊死性リンパ節炎
・Factitious fever (詐病熱)→患者の嘘
etc…
〜のぼせ〜
定義
・のぼせは、熱観によって顔面、頭部あるいは身体全体がほてりほうっとする感じの症状
・冷えは四肢が冷たく感じるもの
・自律神経失調症の症候の1つとして訴えることが多い
原因疾患
・のぼせ、顔面紅潮
・多血症
・カルチノイド
・上行大静脈症候群など
カルチノイド:良性あるいは悪性の腫瘤で、過剰なホルモン様物質をつくる腫瘤。通常、小腸やその他の消化管のホルモン産生細胞に発生する。他に膵臓、精巣、卵巣、肺でも発生する。
↓
顔や頚部の紅潮
チアノーゼ、腹部痙攣、下痢、脂肪便など
下肢の浮腫、喘息様発作(チアノーゼで起こる)、性欲減退、勃起機能不全など…
※外科的に有効な治療がまだ無い。切除は1部分のみであれば箇所により可能。
上行大動脈症候群:大動脈の閉塞や有意狭窄によって生じる上半身の静脈圧の上昇で、頭部、顔面、上肢、頚部および上半身のうっ血を起こす。
*肺癌が代表的な原因
・冷え
・レイノー症
・膠原病
・低血圧
・貧血
・冷えの原因疾患
・バージャー病(足の血管が詰まる)
・閉塞性動脈硬化症
・甲状腺機能低下症
・喫煙
・自律神経失調
・筋肉量が少ない(女性によく見られる)
・ホルモンの乱れ
・冷えの分類と対策
熱産生低下→カロリー摂取、運動
温度調節障害→血行不良改善
放熱過多→保温
*熱産生低下は無理な食事制限やダイエット、もしくは運動量不足などで起こりやすい。基礎代謝の低下、骨格筋総量低下なども原因となる
*皮下脂肪が少なすぎると放熱過多になり、寒い。筋肉量が多くても。
〜不眠〜
睡眠の定義
・脳を持つ高等動物に限って定義
・睡眠とは、脳の働きによって起こる動物の生理的な活動水準の低下状態。
・睡眠とは能動的な、
睡眠のメカニズム
・「睡眠を起こすための脳」が存在する
・覚醒系の関与
・現代社会では、生物学的に健康な睡眠と実生活の睡眠が乖離している
覚醒と睡眠を促す仕組み
・覚醒
脳幹と視床下部から、大脳皮質に覚醒のための情報伝達。
・睡眠
腹外側視索前野(覚醒中枢の活動を妨げることで睡眠を妨げる)
覚醒睡眠調節物質(オレキシン→不足すると睡眠を起こす物質)
睡眠と覚醒の切り替え
・人は25時間の周期で活動と休息のシグナルを出している。これを調節するのが視交叉上核。
光のシグナルによって体内時計をリセット
*起床から12~13時間は血圧と脈拍が高く維持される。14~16時間すると松果体からメラトニンの分泌が開始され、放熱が盛んになり体温が下がることで眠気を生じる。
睡眠の種類と機能
・レム睡眠
夢活動、筋緊張の低下
体の眠り:ストレスの処理、記憶の固定
・ノンレム睡眠
脳の眠り:成長ホルモン分泌、深部体温低下、免疫機能に関与、運動により増加
正常な睡眠
・7~8時間(個人差)
・レムーノンレム周期が約90分
・徐波睡眠は睡眠前半部に、レム睡眠は睡眠後半部に優位に出現する
・除波睡眠は15~20%
・レム睡眠は20~25%
・年齢により異なる
睡眠の経過
ノンレム睡眠がどんどん減ってくるのが普通
〜不眠〜
不眠の定義
・実際の睡眠時間の長短に関係なく、朝起床時に睡眠に対する不満足感が強く、それにより身体的、精神的、社会生活の支障を感じている状態。
※症状であるようだが立派な病気→精神科しか治せない
睡眠障害のパターン
・早朝覚醒(早く起きちゃって寝れない)
・中途覚醒(1回寝るけど途中で起きるけどまた寝れる)
・入眠障害(布団入っていつまで経っても寝れない)
・熟眠障害(たくさん寝たのに寝足りない)
※この4パターンが単独ではなくて複合して出るのがほとんど
持続期間による分類
・一過性不眠
時差ボケなど(急性なストレス)
・短期不眠
1~3週間持続(生活上のストレス、重大病気)
・長期不眠
1ヶ月以上 (継続的ストレス、アルコール依存)
不眠の原因(5P)
physical(身体的要因)
physiological(生理学的要因)
psychological(心理学的要因)
psychiatric(精神医学的要因)
pharmacological(薬理学的要因)
身体的要因
・呼吸器疾患
・心疾患
・消化器疾患
・脳器質疾患
・皮膚疾患
・腎泌尿器疾患
薬学的要因
・降圧薬(β遮断薬)
・中枢神経刺激薬
・睡眠導入薬、抗不安薬
・その他精神科の薬…
※薬が原因の場合は効能の中に不眠があるかどうかを見なければ判断できない
生理学的要因
ストレスになり得るものなど全て。
(転居、光、食事、入院、外気温etc...)
年齢別
中途覚醒は、頻尿と相関関係があるため高齢者に多い
*問診によってどの睡眠障害のパターンになるかを判断する。
睡眠障害とパターンと疾患
・入眠障害
疼痛、COPD、
・中途覚醒
・早朝覚醒
不眠症治療の注意
・薬物療法
・非薬物療法
睡眠衛生の指導(生活リズム、外的要因、身体的要因、精神的要因、その他)
*正しい生活リズムを作ることが1番の解決法
生活指導
・睡眠時間は個人差がある。日中眠くならなきゃOK
・眠くなってから布団に入る、就寝時間にこだわらない
・同じ時刻に起床
・規則正しい生活
*ニコチン、カフェイン、アルコールを控える
・抗不安薬と睡眠薬は同じと思っていい。作用に若干の違いがあるだけ
・ベンゾジアゼピン系
・メラトニン受容体作動薬
この2つで眠れなければ本格的な不眠症
*眠れないから2日分などは無し
1日分の量は必ず守らせる。
1ヶ月以上投薬した場合は、漸減する。突然中断しないで、1~2週間の間隔で4分の1ずつ減らす。
減薬の必要性に関する説明
・高齢者
副作用(健忘、転倒、認知症リスク、呼吸抑制→死因に繋がる)、依存性
・準高齢者
長期服用による依存形成、持ち越し効果(健忘、作業能力の低下)、通院の時間的経済的負担、飲酒との併用問題
次週続きから。
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