鍼灸の授業記録~20191118~
【西洋医学的診察法】
・精神交互作用
(注意と感覚の悪循環)
眠れるだろうか?
↓
眠気に対する意識
↓
眠気が来ない
のループに入ってしまうこと。
・長期連用中の睡眠薬中止後の経過
赤:反跳性不眠 緑:退薬症状
黄:症状再燃 青:改善のまま
どちらもベンゾジアゼピン受容体に作用する。
作用の強い方の名称がつく。
どちらも依存性と記憶障害がある。
高齢者ではふらつき、呼吸抑制、持ち越し効果が出やすい。
効果が得られない時は増量ではなく、抗うつ薬や抗精神病薬の併用を考える。
*肝臓、腎臓に負担あり。
*高齢者は呼吸抑制の効果が出過ぎて寝てる間に呼吸止まって死に至る方もいる。
*うつ病で寝れない場合は睡眠薬では無く先に抗うつ薬を使わなければ効果は出ない。
〈特殊な不眠症〉
・日中の耐え難い眠気と居眠りを繰り返す疾患
・オレキシン欠乏が原因とされる→遺伝?
・本人も気づかないうちに寝てしまう
・夜は普通に寝れる
・情動性脱力発作 喜びや興奮などの情動に誘発される、全身または身体一部に限局する筋緊張の低下あるいは、
・改善策は規則正しい生活を送る以外無い。
・睡眠薬を使っても意味無い。
・睡眠中換気の停止が頻繁に出現し、無呼吸による中途覚醒、熟眠障害、日中の耐え難い眠気などが起こる。
・中高年男性に多く見られら高血圧、虚血性心疾患、肥満症、脳血管障害などの生活習慣病とも関連するがら肥満がなくても下顎が小さいと起こりやすい。
・肥満の人に多い。減量が優先。(痩せれば治る人がほとんど)
・飲酒状態では疾病とは関係なく無呼吸になることがある。
・横向き、うつ伏せで寝ると防げる
・下肢、腕、またはより頻度は低いがその他の身体の部位を動かしたくなる抗し難い衝動を特徴とする。
・妊婦、鉄欠乏性貧血、関節リウマチ、パーキンソン病、慢性腎不全、胃切除後、脂質異常症、脊髄疾患、葉酸欠乏、ビタミンB欠乏、三環系抗うつ薬、カフェインなどが原因。
周期性四肢運動障害
・睡眠中に下肢または上肢に起こる反復性の筋収縮および蹴るような運動であり、しばしば夜間の睡眠分断を伴う。
・特異的な治療はないが、RLSに対する治療がしばしば有用。
うつ病に伴う不眠
・不眠傾向が80~85%でみられる
・過眠のこともある
・非定型うつ病は仮眠傾向で熟眠感が得られないことが多い
概日リズム睡眠障害
・睡眠と覚醒のリズムが外界の時間帯と同調出来なくなるために睡眠が障害されるもの。
・時差ボケや交代勤務などに夜睡眠障害もこれに含まれる。
・代表的な疾患は睡眠相後退症候群で、体内リズムが通常望ましいとされる睡眠時間帯よりも後にズレてしまい、著しい入眠障害と起床困難を引き起こし、遅刻、欠勤、欠席を起こす。
禁断症状としての不眠
・患者にアルコールまたは習慣性を呈する薬物を長期間継続的に服用していた病歴あり。
・習慣性を生じた患者が何らかの理由でその服用を突然中止すると、12~24時間以内に禁断症状が出現。
・落ち着きのなさ、手足の震え、興奮、悪心、嘔吐、頭痛、不眠、発汗、幻覚、痙攣などが見られる。
レム睡眠行動障害
・レム睡眠中に骨格筋の抑制機構が働かなくなり、レム睡眠になるたびに粗大な四肢や体幹の運動、複雑な行動が出現し、激しい寝言を伴う。
(夢を見ていて、その夢の中での身体の動きがそのまま身体に出てしまう)
・パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの脳幹部の疾患で高頻度に見られるが、およそ6割原因不明の特発性。50~60歳以降の男性に多い。
〜全身倦怠感、疲労〜
・定義
日常生活への充実感がなく、実際上の活動を開始または継続しにくいような状態
病的な疲労感ないし倦怠感は、特別な労働も行わないのに出現する場合。
・診断
原因
・精神的なもの
・精神的なものに一時的な身体疾患が加わったもの
・精神的な因子と身体的疾患と両方が原因となっているもの
・身体的な疾患が原因であるもの
・精神的因子
不眠、頭痛、心配、食欲不振、うつ状態を伴うことが多い。
神経症、うつ病の場合でも、身体的因子と考えている場合がある。(うつ病自覚なし)
精神的、身体的能力には個人差がある。
・身体的因子
感染症(慢性感染症の場合は疲労感だけの場合もある。結核など)
貧血(全身倦怠感の訴え、脳への酸素供給不足)
内分泌疾患(下垂体機能低下症、アジソン病、クッシング症候群など)
腎不全(蛋白分解産物の蓄積)
その他(心疾患による循環障害、脱水、電解質異常、アルコール中毒、睡眠薬中毒)
〜発疹〜
・用語
皮疹→皮膚病変のこと。皮疹をみることが視診
個疹→皮疹を構成している単位。紅斑や丘疹のこと
発疹→個疹が何であるかを定義したもの
・皮膚科の検査
硝子圧診:透明なガラス板で皮疹を圧迫して色調の変動を見る。
皮膚描記症:先端の鈍なもので皮膚をこすると赤くなり、ついで隆起してくる。
Nikolsky現象:正常に見える皮膚を擦ると表皮が剥離する現象。天疱瘡などで陽性になる。
Auspitz現象:鱗屑を剥がしていくと点状出血する。乾癬でよく見られる。
Dalier徴候:患者の色素斑部を擦過すると著しい膨疹を形成する。
Kobner現象:健常部皮膚に摩擦や日光などの刺激を加えると皮膚病変を生じる。
Rumpel-Leede試験:皮下出血を見る試験。(毛細血管抵抗試験)
病理学検査:皮疹を生検し各種染色を施して観察する
・アレルギー検査
パッチテスト
接触性皮膚炎の抗原検索。
皮内試験
即時型アレルギーの検査。蕁麻疹の抗原検索に有用。
IgE-RAST法
物質に対する特異的なIgEの存在を血液検査で調べる。陽性でも生体内で1型アレルギー反応を起こすとは限らない。
薬剤リンパ球刺激試験
末梢血リンパ球を薬剤とともに培養。リンパ球増殖に伴うDNA合成量を測定し、細胞性免疫の有無を見る。
・光線過敏試験
皮膚反応を生じる光線量を測定して光線過敏症の程度や主な作用波長を測定する
光パッチテスト
被験物質を貼付して、24~48時間後に紫外線を照射し、その24時間後に発赤、腫脹があれば陽性とする。
細小紅斑量試験
光線を照射して、MED(24時間後に皮膚に紅斑を生じる最小光線量)を測定。UVBの照射が一般的。
〜ショック〜
・定義
急性循環不全の結果、重要臓器への有効血流量が減少し、酸素供給低下と組織酸素代謝失調から組織、細胞が恒常性を維持できなくなった状態。
各重要臓器の機能不全であり、多臓器不全から死に至る一連の連鎖現象。(多臓器不全に陥ると大抵死に至る)
・ショックの成因と病態生理
血流を維持するための3つの要素の破綻によって起こる。
十分な循環血液量・心臓のポンプ作用・血管の緊張
診断は臨床像からそう難しいことではない。
・ショックの原因別分類
出血性:出血により循環血液が喪失したもの。
心原性:心臓のポンプ機能低下。
細菌性:細菌の産生する毒素による(心拍出量は増えている)
神経性:血管の調節が出来なくなる(収縮と拡張)
正常
対処法
出血性
止血と輸血、輸液が原則。適応があれば手術に踏みきる。
心原性
神経原性
敗血症性
原因菌の同定と抗生物質の感受性テストを行い、抗生物質を選択する。
エピネフリン投与と輸液。(エピペン)
・ショックの症状
皮膚が蒼白で冷たい
冷汗
無力、無欲状の言動
呼吸障害
乏尿、無尿
血圧低下
原因病変固有の症状(例外あり)
・ショックの治療
心肺蘇生、原因疾患に対する治療、重要臓器の機能維持
まずは救命救急のCAB
Compression(心臓マッサージ)
Airway(気道確保)
Breathing(呼吸の確保、必要なら挿管)
緊急事態を乗り切ったら原疾患の治療に移行。
・ショックの経過と予後
原因と対処法がしっかり行えて、多臓器不全に陥らなければ予後は期待できる。
・多臓器不全
同時に脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、消化管、中枢神経系ならびに凝固系といった重要臓器や生体の機能系が次々に機能不全に陥る病態。
多くは予後不良。
次週〜出血傾向〜から。
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