鍼灸の授業記録~20191130~
【生理学】
・筋紡錘と腱受容器
抑制性介在ニューロンを興奮させることが出来れば筋を弛緩、凝りを解消させることができる。
筋にはその他にも、圧や振動の受容器であるパチニ小体や、痛覚受容を行う自由神経終末などがある。それらの求心性情報は、いずれも中枢神経に伝えられる。
*筋は虚血状態で収縮を起こすと痛い。(筋膜が最も敏感に痛みを感じる)
*凝りは、筋全体の疲労ではなく、持続的な刺激を受け続けていた一部分に、弱い刺激だとしても疲労物質が溜まってしまうこと。
*筋紡錘=ゴルジ腱受容器
・γ(ガンマ)運動ニューロン
αの動きに追従して、感覚を伝えるのに適した長さに筋紡錘を動かしてくれるもの。(α運動ニューロン→筋肉全体の収縮)感度調節。
*α-γ連関:随意運動の際には、α運動ニューロンとγ運動ニューロンは上位中枢からの指令を同時に受けており、両者が同時に興奮したり、抑制を受けたりする。この機序をα-γ連関という。(α-γ協同活動とも言う)
・骨格筋の緊張(筋緊張)
骨格筋は、ある程度の緊張(トーヌス)をもっている。この緊張には物理的性質による場合と、神経性の場合がある。
ある程度の緊張を保っていないと色々な動きに対する反応が遅くなるため。
主に姿勢保持に関与する。
筋緊張の際に産熱が起こるので、体温調節にも役立つ。
〜運動の調節〜
運動中枢は、脊髄、脳幹、視床、小脳、大脳基底核、大脳皮質など広い領域に存在する。
運動の調節は意志によって随意的に行うものと、意志とは関係なく反射性に行うものに分けられる。
随意→大脳皮質 不随意→脊髄、脳幹レベル
・脊髄レベルでの調節
①末梢器官からの求心性情報によって反射性調節(脊髄反射)が起こる。筋、腱、関節などの受容器あるいは皮膚の受容器からのもの
その他に、内臓からの求心性情報によって誘発される筋性防御反射もある
②歩行の例のように、脊髄内に律動的歩行リズム発生の神経回路がある
⑴伸張反射
膝蓋腱反射やアキレス腱反射など。
腱の受容器は直接関与せず、腱を叩くことにより筋長が瞬間的にわずかに伸び、筋紡錘が刺激されて、骨格筋が収縮する反射。伸張反射と言う。
膝蓋腱反射
拮抗抑制
*レンショウの反回抑制:高い閾値を持っていて、過度なα運動ニューロンの活動を抑制する。
⑵拮抗抑制
多くの関節には機能的に相反する作用を発揮する屈筋と伸筋がある。関節は屈筋が収縮すると屈曲し、伸筋が収縮すると伸展する。
どちらか一方に注目する時、それを主動筋といい、他方の筋を拮抗筋という。
*拮抗筋を使うことで主動筋を弛緩させることができる
(例)
大腿後面(ハムストリングス、もも裏)を緩めたい場合、
主動筋を大腿二頭筋や半腱様筋、半膜様筋とすると、
拮抗筋は大腿四頭筋(前もも)になる。
そのため、膝関節を伸展する(伸ばす)力を入れる動きをすることで
もも裏全体が緩み、体前屈などの結果が良くなる。
⑶伸張反射と誘発筋電図
次回ここから!!
誘発筋電図は大事だから予習した方がいいかも?