str_fit’s diary

野球、筋トレ好きな 鍼灸の夜間部専門学生が授業の内容を記録するために書き始めたブログです。時々登場する野球記事、筋トレ記事ではみなさんに有益な情報を届けられるよう、体験ベースに書いていきたいと思ってます。是非覗いていってください。

鍼灸の授業記録~20200109~

【生理学】

 

 

 

⑤感覚と知覚・認識

感覚受容器で受け取られた感覚の情報は、大脳皮質の感覚野(一次感覚野ともいう)に伝えられて感覚を起こす。感覚野は感覚の種類によって、体制感覚野(頭頂葉にある)、視覚野(後頭葉にある)、聴覚野(側頭葉にある)、味覚野(頭頂葉にある)などがある。

感覚野に伝えられた感覚情報は、さらに大脳皮質の連合野に送られて、そこの神経細胞で処理され、連合野に蓄えられている過去の感覚の記憶と照合され、感覚の性質を知ることができる。すなわち、刺激の性質を知覚し、認識する。

 

※空想と錯覚:大脳皮質の連合野が働くと、刺激が与えられなくても、感覚を空想することも可能となる。刺激を正確に認識することなしに、錯覚を起こすこともある。

 

 

⑥感覚入力の調節

感覚情報は、中枢神経系に伝えられる過程で種々の調節を受ける。例えば視覚や皮膚感覚の場合、刺激が加えられた場所の周辺の感覚情報は抑制される。このような抑制を周辺抑制といい、刺激された狭い部分の感覚を浮き出させる。また大脳皮質連合野の働きにより、特定の感覚に注意を集中してある感覚を敏感に感じ取ることも可能である。逆に不注意な状態では感覚に鈍感になりやすい。

 

 

⑦感覚と情動

感覚情報は、大脳皮質感覚野にだけではなく、視床下部大脳辺縁系にも伝えられる。感覚情報によって視床下部大脳辺縁系が働くと情動が生じるので、感覚情報や認識とは関係なく情動反応を起こすこともある。

 

※情動:快や不快、怒りや恐れ、喜びや悲しみなど、行動を起こすきっかけとなりうるような強い感情とそれに伴う発汗などの生理的変化を情動という。

 

 

⑧感覚刺激と反射

ある種の感覚情報は、無意識的に反射性反応を起こす。例えば、眼に強い光が入ると縮瞳が起こる対光反射などがある、

 

 

⑨受容器と興奮伝達

感覚系において受容器という場合、特別な感覚受容器細胞がある場合と、求心性神経の神経終末自体が特殊化して受容器として働く場合がある。前者の例には、味覚や聴覚の受容器などの感覚受容器細胞がある。この場合、刺激により受容器細胞が興奮して受容器電位が発生し、その電位がある大きさに達すると興奮が求心性神経に伝達され、求心性神経終末で起動電位が発生し、最終的に活動電位(あるいはインパルス)を発生して中枢神経系に向かって伝わる。後者の例には、嗅覚の受容器や侵害受容器がある。

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※光なら光(目)、匂いなら匂い(鼻)、味なら味(舌)

※2次感覚細胞:視覚、聴覚、平衡、味覚受容器→刺激受容のみ行う(活動電位は発生しない)

受容器電位の大きさによって放出される伝達物質の量が変化する

 

 

 

〜体性感覚〜

体性感覚には、皮膚の受容器からの皮膚感覚(たとえば触覚など)である表在感覚と、皮下の筋肉、腱、関節などの受容器からの深部感覚(たとえば位置感覚など)がある。体性感覚に関する受容器は、眼や耳のように特殊な感覚器を形成せず、体に広く分布している。

 

※鍼と体性感覚:鍼は皮膚と筋の受容器を刺激してその受容器につながる感覚神経を興奮させる。(自由終末を刺激する)

 

 

・皮膚感覚(表在感覚)

皮膚感覚には一般に、触覚(圧覚を含む)、温覚や冷覚、および痛覚がある。皮膚表面にはこれらの感覚に敏感な部位が点状に散在しており、それぞれ触(圧)点、温点、冷点、痛点という。これらの点の分布密度は身体部位によって著しく異なるが、平均すると皮膚1㎠当たり、触(圧)点25、温点1〜4、冷点2〜13、痛点100〜200である。

 

 

①触・圧 覚

触覚は、皮膚の表面に軽く触れたときに感ずる。圧覚は、圧迫されたり引っ張られたりすることによって生ずる。連続的な移行があり、質的に共通したものと考えられる。触点の密度は指先や口唇で高く、上腕や下腿などで低い。刺激閾値も、その密度の高いところほど小さい値をとる。

 

 

②2点弁別閾(2点識別閾)

皮膚上の2点に刺激を加えたとき、2点間の距離が短いと1点として感ずる。この距離を少しずつ話して2点として識別できる最小距離を2点弁別閾(2点識別閾)という。触点の密度の高いところでは2点弁別閾値は小さい。このように2点を識別するような高度な触覚を識別性触覚というのに対し、物が触れたかどうかを知る触覚を「粗い触覚」または原始触覚という。

 

 

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③触・圧覚の受容器

触・圧覚に関与する受容器にはメルケル盤、ルフィニ終末、マイスネル小体、パチニ小体などがある。メルケル盤とルフィニ終末は順応が遅く、圧刺激が長時間続いても、インパルスを発射し続ける性質を持ち、強度検出器の機能を果たす。マイスネル小体と毛包受容器は刺激の動きに応じて反応し、刺激の動きが止まると圧刺激が続いても応じなくなる性質を持ち、速度検出器の機能を果たす。パチニ小体は、振動刺激に反応する最も順応の速い受容器である。

これらの受容器からの情報を伝える求心性神経は、いずれも太くて伝導速度の速い有髄のAβ線維である。

 

 

続きは明後日!