str_fit’s diary

野球、筋トレ好きな 鍼灸の夜間部専門学生が授業の内容を記録するために書き始めたブログです。時々登場する野球記事、筋トレ記事ではみなさんに有益な情報を届けられるよう、体験ベースに書いていきたいと思ってます。是非覗いていってください。

臨床実習~20200111~

【臨床実習】



臨床の流れ
〜膝足部〜
・ロールプレイ

①主訴:右膝の痛み
62歳男性、数年前に膝内側の痛みを訴え、当院受診。当初は強い痛みを訴えていたが、現在ではペインコントロール良好で、月1〜2回のペースで治療継続中。趣味は山登り。
先日も友人と山登りへ出かけたが、翌日から右膝内側の痛みが再燃し、歩くのもつらい。特に朝起きて二階から階段を降りるのがつらい。左右の膝を比べると右膝全体が赤く、腫れているような気がする。以前にも痛みが出たことはあるが、ここまで痛いのは久しぶり。市販の鎮痛剤を服用しているが、よく胃が荒れるので飲みたくない。とにかくこの痛みをどうにかしてほしい。最近、早期退職して、自宅にいることが多くなった。


②主訴:左膝の痛み
30歳女性、介護職員。数ヶ月前から左膝内側に痛いような、痺れるような感覚があり、少しずつひどくなっている。数年前に入浴介助中に足を滑らせ、内側半月板を損傷しているのでそのせいかもしれない。しかし、その時の痛みとは少し違う感覚。入所者を介助するとき(特に車椅子⇄ベッド、トイレへの移乗介助)、レクリエーション中の長時間の立位などで左膝内側に痛いような、痺れるような感覚が起こる。この症状は階段の上り下りでも起こることがある。膝上10㎝ほどの所に異様に痛い場所があるが、それは最近、運動不足解消のためにバランスボールを両足内側に挟み、内転筋トレーニングを始めたせいかもしれない。腰痛の既往無し。


上記2パターンの問診を臨床の流れで膝関節の確認


以下、フィードバックによる振り返り。

・問診(OPQRS)
夜間痛、安静時痛の有無
痛みが出始めたキッカケ
痛みのレベル(10段階評価)
痛み方(擬音語)
緩和する姿勢や動き
最も痛い時
などを問診する。


・膝足部の診察
罹患組織の確認(骨、靭帯、筋…どれなのか)
膝蓋跳動の有無
膝・足関節 ROM
MMT
チネル徴候の有無
などを診察する。


・気をつけるところ
触診で関節裂隙、内側側副靱帯、外側側副靭帯、腓骨頭、膝蓋靭帯などを確認
自力屈曲と、他力屈曲の差をよく診る(痛みによって止まるのか、拘縮によるものか)
②患者のように膝内側の後ろに痺れが出る場合は、内転筋管の拘縮(ハンター管症候群)を疑う



・ロールプレイ

③主訴:右足関節の痛み
19歳女子大学生、バレーボール部。2週間前、試合中にブロックをした後、センターラインをはみ出してきた相手チームの足の上に着地。右足首を内側に捻ってしまった。痛みはあったものの、応急処置をして試合続行。試合終了後にはアイシングを施行し、翌日からは練習を休み、今日まで安静にしていた。受傷当初あった腫脹や内出血については治ってきたものの、右足関節外側の痛みが続いている。特に足首を内側に曲げると痛い。また近いうちに試合があるので、練習を再開したい。この痛みが鍼灸治療で取れるかどうか相談したい。

 


・気をつけるところ

スポーツ中の怪我は罹患組織を間違って診察しないよう、細心の注意を払う

足関節内反捻挫の場合に多い罹患組織は、前距腓靭帯、踵立方靭帯

絶対に見落としていけないのは、第5中足骨(短腓骨筋の停止部)の骨折→そこに腫脹や圧痛が無いかを確認する

 

 

・反省点

問診のロールプレイで聞くべきことをパターン化しすぎると、イレギュラーが来たときに対応できないと感じたので、コミュニケーションをうまく取りながら患者の訴えと、実際に起こっている身体の異常をしっかり見極めるための問診をできるようにしたい。