鍼灸の授業記録~20191221~
【生理学】
・運動の調節
小脳による調節は、姿勢の調節や学習された素早い目標達成運動(たとえばスポーツの習得など)に重要
※随意運動
開始する際に①内的欲求②外的刺激③自ら起こった意志の3つの運動を開始するパターンがある。
随意運動では、単純な動きよりも中枢系を多く使っているものという理解をしておく。
運動開始直前の高低差が大きいほど運動能力が高いと言える。
運動に関する指令を脳から運動ニューロンへ伝える下行路は、古くから錐体路系と錐体外路系の2つに分けて考えられてきた。
・錐体路系
大脳〜脊髄
皮質脊髄路に相当するが、広義には皮質延髄路も含めることがある。
※錐体路障害:反対側の運動麻痺や病的反射の出現などが見られる
錐体路以外の運動に関与する経路を総称したものである。(小脳系は錐体外路系に含める)
※錐体外路系の障害:無動、筋緊張の異常、姿勢の異常、不随意運動などが現れる
〜発声と言語〜
発声は、声を出すという運動機能の一つであるが、言語は学習をして初めて可能となる高次神経機能の一つである。
言語中枢は左脳にある。前が運動性言語中枢(ブローカ)後ろが感覚性言語中枢(ウェルニッケ)
※解剖学でいう迷走神経→反回神経のところ
第13章【感覚】
生体には環境の変化をとらえるための種々の感覚器が備わっている
〜感覚の分類と一般的性質〜
・感覚とその分類
体性感覚、内臓感覚、特殊感覚などの種類がある。
・感覚の一般的性質
①適刺激:感覚受容器は、それぞれある特定の種類の刺激に敏感に応ずる性質を持つ。ある受容器に最適な刺激を、その受容器の適刺激という。
※光→視覚、音→聴覚など
※強すぎる刺激が来た時には、全ての受容器が反応してしまうので、何が起こったか分からない場合がある。
・感覚の投射
感覚は大脳皮質の感覚野で生じている。しかし、主観的な体験としては大脳皮質にではなく、刺激を受けた受容器の部分に感覚を生じる。伝導路の途中を刺激した場合も同様で、その伝導路の起始部にある受容器に感覚を生じる。これを「感覚の投射」という。
・刺激の強さと感覚
刺激の強さを大きくすると、感覚の強さも大きくなる。
手のひらに重りを乗せ、重りの量を前より3%増加した時点で気づく。
強さの刺激を区別するのに必要な刺激の最小差分を"弁別閾"という。もとの刺激をS、弁別閾を△Sとすると、△S/Sは一定である。すなわち、Sと△Sとの間は比例関係が成り立つ。この法則を"ウェーバーの法則"という。
・感覚の順応
一般に、持続的な刺激は次第に弱く感ずるようになる。これを感覚の順応という。順応の程度は感覚受容器の種類によって著しく異なる。
※触覚、嗅覚は順応が早い
※痛覚は順応が起こらない
・感覚と知覚、認識
感覚の受容器で受け取られた感覚の情報は、大脳皮質の感覚野(一次感覚野ともいう)に伝えられて感覚を起こす。
感覚野に伝えられた感覚情報は、さらに大脳皮質の連合野に送られて、そこの神経細胞で処理され、連合野に蓄えられている過去の感覚の記憶と照合され、感覚の性質を知ることができる。すなわち、刺激の性質を知覚し、認識する。
※空想と錯覚:大脳皮質の連合野が働くと、刺激が与えられなくても、感覚を空想することも可能となる。刺激を正確に認識することなしに、錯覚を起こすこともある。
次週続きから!